ラジコン雑学

ラジコンの歴史について

投稿日:2018年7月7日 更新日:

現在は趣味として知られているラジコンですが、このラジコンはどのようにして生まれたのでしょうか?今回はラジコンの歴史についてみていきましょう。

 

ラジコンはいつ生まれた?

ラジコンの原型は、標的を動かす・誘導弾の誘導といった軍事目的のものでした。1878年に「火花式送信機」が生まれています。これは原始的電波発生装置で、火花の間隔によっていくつかの種類に分類されますが、間隔が広く、高い電圧によって火花が放電することで電波を作るものが「普通火花送信機」です。

これは火花送信機で最も一般な方式で構造も簡単なものの、送信電波が続かず混信に弱いことや遠距離の通信に不向きという面がありました。

1894年には、「コヒーラ検波器(コヒーラけんぱき)」という電磁波検出装置、つまり受信機が発明されました。

1890年に金属粉末が電気の伝導性を持つことを研究していたエドアール・ブランリーが、高周波を金属粉末に当てると電気抵抗が激しく減り、直流の電流が流れるという現象を確認しました。これをリヴァプール大学の教授だったオリバー・ロッジが応用して1894年王立アカデミーにおいて発表しました。

この現象が発見された当時、高周波によって電極・金属粉末が密着するためから起きると考えられたことで、密着する「cohere」から名前をつけれれています。

1888年、ニコラ・テスラがニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで無線操縦によって小さな無人船を動かしたとされています。

「無線操縦の父」はあのトーマス・エジソンの見習いだったというジョン・ヘイズ・ハモンド・ジュニアという人物ですが、ハモンドは上記のテスラとは友達で実験仲間でもありました。

1904年、発明家ジャック・キッチンは蒸気船バット号に自作の無線操縦装置を積みこみ、ウィンダーミア湖において実験的に操縦しました。

 

ラジコンの軍事利用の歴史

ここからラジコンの軍事的な発明が続きます。

1909年にフランスの発明家が無線操縦式魚雷を完成させ、1917年ではイギリス陸軍のアーチボルド・ロウが、世界で初めてという「航空機の無線操縦飛行」を実現させています。

1920年代では、多くの無線操縦船海軍の射撃演習の標的として使用されています。

1922年、アメリカ海軍の「戦艦アイオワ」が無線操縦装置搭載の標的艦として登場。ハモンドが開発したという無線操縦装置が置かれて、同年3月の演習で沈むまで使われました。

ソ連は、1930年代、「テレタンク」という無人の戦車を使用しています。これは500mから1500mという距離にある戦車から操縦することで、この両機がひとつのグループとなって第二次世界大戦においても編成されていました。

ドイツでも無線誘導弾「フリッツX」等を使い、イタリアとの戦いで戦果を上げています。

日本では1937年に「攝津(せっつ)」が遠隔操作の無人艦になっています。

第二次世界大戦でも、各国が無線操縦による兵器を発達させ使用し、戦果を上げたものもありました。もっとも力を入れていたのがドイツで、多くのミサイルに使われましたが、使われることがなかったものも多くありました。

無線操縦の兵器が主流になれなかった原因としては、イギリスが無線信号妨害、いわゆる「ジャミング」を使ったためであり、これによって無線操縦兵器は当然ながら役立たずになりました。

第二次世界大戦後は、ラジコンの各部品の技術が波及していきました。

 

ホビーやおもちゃとしてのラジコン

商品化の先がけになったのは、1955年に日本の増田屋斎藤貿易(現・増田屋コーポレーション)が作ったホビー用ラジコンバスでした。

当時は高価だった「トランジスタ」「真空管」を使わず、火花送信機・コヒーラ検波器を使い主に輸出することで、外貨の獲得に貢献しました。

日本での電波法は順調に許可されましたが、アメリカでは時間がかかって翌年に発売されることになりました。

増田屋は他にも笛から出る音によって操縦するという「ソニコン(ソニックコントロール)」を製造し、当時の主力製品だったブリキ製バス・自動車・ロボット・戦車などに搭載されていたそうです。

ちなみにこの増田屋は、あの「ピコピコハンマー」を作ったメーカーで、流行りものには手を出さず「おもちゃそのもの」の面白さで勝負するいたって硬派な会社なのです。いやあ、好感もてますね!

僕はこういう会社好きですね。さらに、実はなんと「ラジコン」という名前の登録商標を持っているのもこの会社です。ただ、その権利をとやかく言わないという清さも持っているそうです。

ということで、増田屋に敬礼!ビバ増田屋!

初期のラジコンカーは、1960年代の中盤に登場しています。イタリアのメーカーEl-Gi社が1/12縮尺の「フェラーリ250LM車」を作成、

1968年にはイギリスのMardave社がラジコンカーの商業生産を開始し、これはグロー・エンジンカーで、1970年に一部の地域で販売されました。

1970年代になるとアメリカの小さな企業がラジコンカー分野に参入します。元スロット・レーシングカーのメーカーが、衰退したことでこの分野に参入しています。

そして日本では1976年、タミヤがきめ細かい外観を持ったプラモデルをベースにした1/12サイズの「ポルシェ・934」キットでラジコンカーに参入しています。

 

ソニコンに興味が

ラジコンの歴史についてでした。

戦争が文明を急速に発達させたという説がありますが、ラジコンは最初、軍事目的として開発されていたんですね。

おもちゃとしてのラジコンは日本が先駆けだったとは意外でした。

笛で動くという「ソニコン」がものすごく面白そうと思うのは自分だけでしょうか。今売っても人気になるんじゃないでしょうか(自分なら買ってしまうかも)?

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