現在、不眠症は多くの人が持っている症状とされています。
不眠症対策はもちろん規則正しい生活をすることですが、食べ物や飲み物にも効果が期待できるものがあります。
ここで、不眠症に効果がある食べ物や飲み物について紹介していきます。
不眠症に効果的な食べ物は?
不眠症に効果がある食べ物・栄養素といえばまず「トリプトファン」が欠かせません。
トリプトファン はアミノ酸のひとつで、人間において9つある「必須アミノ酸」の1つでもあります。
この成分は体内で不眠症に大きい関係がある「概日リズム」のための「セロトニン」「メラトニン」に代謝されます。
「セロトニン」が脳内で関わっている生理機能は数多くあり、生体リズムや体温調節、睡眠に影響があり、精神を落ち着かせてくれる働きがあります。
「メラトニン」も催眠や生体リズムの調節作用に影響があり、睡眠において重要な関係をもっています。
つまり、トリプトファン は不眠症を含めた健康の維持に必要な物質で、体内からは十分な量ができない「必須アミノ酸」でもあり、適量に摂取することで精神を落ち着かせる等、健康増進に効果があるとされています。
中でも不眠症・時差ボケ・うつ病などの疾患に効果があり、アメリカではこの症状の人に処方されることもあります。
日本ではトリプトファンが含まれているサプリメントが一般的に流通して販売されています。
ただし、トリプトファンの過剰摂取することで「セロトニン症候群」や胎児への悪影響もあるとされていため、適度に摂取することが大事です。
トリプトファンが含まれた食品についてですが、基本的にタンパク質が多い食品ほど多く含まれています。
そのため、
- 肉魚
- 豆類
- ナッツ類
- 豆乳
- 乳製品
などにたくさん含まれています。
みなさんは、「GABA(ギャバ)」という成分をご存知でしょうか?
一般的にはあまり馴染みのない成分ですよね?
GABAとは、ストレスを緩和してくれる成分とされていて、正式名称は「γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)」といい、この略称でGABAとなります。
GABAは、人間の脳内で神経伝達物質としてストレスを和らげ興奮を鎮める働きをもつとされています。
このため、体がリラックスすることで安眠・血圧低下に効果があるという報告があります。
GABAが多く含まれている食べ物は
- カカオ
- ブロッコリースプラウト
- トマト
- 雑穀
などです。
カカオといえばチョコの成分のひとつですが、GABAは最近チョコレートの名前などにもなっていますね!
不眠症に効果がある飲み物は?
不眠症で眠れない時にはよく、「ホットミルク」がいいと聞きますよね?
これは上記のように、乳製品には多くのトリプトファンが含まれているからとされていますが、実は、トリプトファンがメラトニンに代謝するには半日くらいの時間がかかるので、寝る前に飲んでもその影響はないとされています。
では、ホットミルクがなぜ眠れないときにいいのかというと「ホット」であるという点でしょう。
私自身、眠れない時になにか温かいものを飲んだり食べたりすることで眠れやすくなったことが多々ありました。
温かい飲み物によって一時上昇した体温が徐々に下がっていくことで、眠気がおきやすくなるとされています。
ただ、こういったことは体感しにくいことですが、自分が理解できるのは「温かい飲み物を飲んでリラックスすることで眠りやすくなるから」ということではないでしょうか。
でも、個人的にミルク系はちょっと苦手なんですよねー。
そのため、私は眠れないときはよくほかの温かい飲み物を飲んでいます。
ホットミルクのほかには、
- カモミールティー
- ホットココア
- 生姜湯
- 白湯
なども、安眠効果がある飲み物とされています。
もちろん、カフェインの含まれた飲み物は絶対NG!
これらを摂取すればすぐに治るわけではない
不眠症に効果が期待できる食べ物や飲み物についてでした。
自分の経験から言うと、こういったものは確かに食べたほうがいいのですが、これを食べた・飲んだからといってすぐに不眠症が治る、とたんに眠れるといったものではないと思います。
ただ、こういった健康的な食事を日頃から摂るのは不眠症の対策として効果的なもののひとつなので、運動や規則正しい生活など、そのほかの対策と併せる形で行うという考え方のほうがいいと思います。