エンジンタイプのラジコンカーで利用されているグローエンジンは、2cc~3.5cc までの排気量があります。
このような小さい内燃機関が、 見た目からは想像もできないようなパワーを持っています。
模型用グローエンジンを2000cc の排気量として換算すると、800馬力以上になるのです。
今回は、このラジコンカーに使われるグローエンジンのメカニズムやパーツなどについてご紹介してみましょう。
エンジンがパワーを生む4つの行程
「模型用グロー燃料」を使うグローエンジンは多くありますが、ラジコンカーでは主に2ストロークエンジンが採用されています。
2ストロークエンジンとはどうやったメカニズムなんでしょうか。
エンジンがパワーを生み出すために、燃料・空気を混ぜたガスである「混合気」を爆発させることでピストンが上下に運動し、このピストンと繋がっている「コンロッド」がクランクシャフトを回します。この回転する運動を駆動力にしているのです。
エンジンを動かす時には
・吸気
・圧縮
・爆発
・排気
という4つの行程をすることになりますが、2ストロークエンジンというものはピストンが上下する一往復の運動でこの行程を終了するために、こう呼ばれています。
エンジンには空洞があって、その上は筒状になったスリープがはめ込まれている「燃焼室」があり、下はクランクシャフトが通っている「クランクケース」で構成されています。
ピストンがスリープ内を上下に移動して燃焼室~クランクケースをそれぞれの部屋に仕切っているので、ピストンが動くことで片方の部屋の量量が増え、一方の量量は減ることになります。
エンジンは、この「容量が変化してそこにある空気を動かす」という性質を使い、混合気を移動させています。
2ストロークエンジンの仕組み
エンジンが動く仕組みについてですが、まず混合気がクランクケースに入ることでピストンが下がるとクランクケース~燃焼室をつないでいるパイプから燃焼室へと送られます。
この側面の壁にあるスリーブに、「掃気ポート」「排気ポート」があります。
混合気が掃気ポートから燃焼室に入る、これが吸気です。
ピストンが一番下に達した時、今度は上昇しますが、その時掃気ポート・排気ポートがふさがることで密閉空間の中で圧縮されます。
圧縮が最大になるとプラグが発火します。
こうして混合気が爆発し、ピストンはまた下に押されることで掃気ポート・排気ポートが開きます。
ここからまた混合気が入ってきて、燃えた混合気は排気ポートより排出され、これが排気になります。
このような行程によって、エンジンがパワーを生んでいるんですね。
点火プラグとは?
前回も説明した通り、エンジンタイプのラジコンで必要になるものの一つに点火プラグというものがあります。グローエンジンで使われる点火プラグは、合金によって耐久性が高い物が使われます。
始動させるときに外部からの電源で発熱させますが、エンジンが一度動き出すと発生した熱でその機能が維持できます。
一方ガソリンエンジンでは、プラグにバッテリーをつないで、爆発するたびにフラグを熱しなければならないという構造があります。
キャブレターの仕組み
エンジンラジコンカーではこれまで見てきたように、「混合気」というものが重要な要素となっていますね。
混合気はどうやって作られるのでしょうか?
エンジンラジコンカーにはキャブレターと言う、混合気を作る装置があります。
ここで燃料と霧状になった空気と混ぜ合わせ、混合気が作られています。
キャブレターは燃料・空気の入り口が別々にあり。燃料は燃料タンク~燃料チューブを通って送られ、ニードルと言う金属製の細い棒により空気と混ぜる量が調整されます。
一方空気はエア吸入口からキャブレターへと入り燃料と混じり合います。
この時。ベンチュリー効果という、広い場所から狭い場所に流れることで流れが速くなる現象により、燃料は霧状となります。
4ストロークエンジンの特徴
ラジコンカーに使われるグローエンジンは、2ストロークエンジン意外にも、4ストロークエンジンがあります。燃費が高く、騒音も少ないというメリットがありますが。メンテナンスが非常に大変でパワーも劣ると言うデメリットがあります。
さらに4ストロークエンジンはツーストロークよりも高価なものになるために、ほとんど使う人はいないのが現状です。
本格的なラジコンのグローエンジン
エンジンタイプのラジコンカーにおける、「グローエンジン」についてでした。
こうやって仕組みがわかるとよりラジコンに愛着がわきますよね。
エンジンタイプは電動よりパワーがありますが、そのぶんメンテナンスもより重要になってくるでしょう。