ラジコンのバッテリーにはいろいろな種類がありますが、その中のひとつが「リチウムイオンポリマー二次電池」、いわゆるリポバッテリ ーです。
現在、組み立て済みのラジコン一式セットや、プロポセットを購入するとたいていはニカドバッテリーが付属しているので、リポバッテリーはまだ中級者以降が使うバッテリーという位置にあるかもしれません。
ただ、ニカドバッテリーでラジコンを走らせていて「もっと走らせたい!」となると、自然と「ニッケル水素」やこの「リポバッテリー」が欲しくなってきたりします。
そこで今回はこの「リポバッテリー」についてご紹介してみましょう。
リポバッテリーとは?
リポバッテリーは「リチウムイオンポリマー二次電池」の略で、リチウムイオン二次電池のひとつです。
狭義ではリチウムイオンが反応に関わっている二次電池の中で、電解質にポリマーを使っているものがリチウムポリマー電池(リポバッテリー)、液体を使っているものがリチウムイオン電池という区別があります。
広義では電解質のほかにも、負極~正極の活物質に導電性高分子等を使っているものも含まれます。
現在、一般的に使われているポリマー電池は、電解質に「ポリエチレンオキシド」や「ポリフッ化ビニリデン」からなるポリマーに、電解液を含ませゲル状にしたもので、本質的にリチウムイオン二次電池と変わりません。
ポリマーの安全性は引火性がある電解液と比べれば高いですが、危険性が無い訳ではないので取り扱いに注意とされています。
現在はスマートフォンや携帯の電池としても使われているので有名ですよね。
ノートパソコンのバッテリー・スマホ用モバイルバッテリーでも、中には筒状リポバッテリーが何本にもなって入っています。
ニカドバッテリーと比べると自己放電やメモリー効果がないという面が特徴で、なんといっても大容量の高電圧がメリットです。
しかし、小さいバッテリーに大きいエネルギーを溜められるという反面、発火して爆発するという危険性が指摘されています。
過充電・過放電で爆発してしまう危険がありますが、現在のスマホなどの電子機器やラジコンを含めたおもちゃなどに内蔵されているリチ ウムイオンポリマー電池には、過充電・過放電を防ぐ安全回路が内蔵されています。
ネットなどでよく耳にすることがある話ですが、もしもバッテリーが膨らんでいるときは、過充電等によってバッテリーの内部に 「可燃性ガス」が出ている可能性があるので、早めに交換などの対応をした方がよいでしょう。
ラジコン的にいえば、リポバッテリーは二カド・ニッケル水素のバッテリーよりも軽いというのがよく言われていて、これはスピードアップにもつながりますね!
リポバッテリーの充電方法
ではここでリポバッテリーの取り扱い方法についてみていきましょう。
まず大事なのがやはり充電方法です。
リポバッテリーの充電には、リポバッテリー専用の充電器が必要になります。
ニカドバッテリーなどの充電器ではなく、必ずこの「リポバッテリー専用充電器」で充電しましょう。
バッテリーの小さい方のコネクタを、専用充電器に繋いでからコンセントに繋ぐと充電ができます。
2セル以上のリポバッテリーは使用していく内に、セル間で電圧差が生じます。このため、「バランス充電」という各セル間の電圧差を揃える充電が必要となります。
これには、バランス充電に対応している充電器を選ぶ必要があります。充電時は「バランス充電モード」になっているかを確認してから充電してください。
充電の時間がすこし長くなりますが、コンディションの維持を考ええればバランス充電を毎回するのがおすすめです。
スマホなどでも同じことが言われていますが、100%に充電して何日も放置することでバッテリーが劣化するとされているため、走らせる前日くらいに充電するとよいでしょう。
満充電で保管していると気温の変化によって過充電状態になります。
冬に満充電して夏になった場合、気温でバッテリー内が活性化し過充電状態になり、炎上してしまうという危険性も出てきます。
保管時はバッテリー残量をほどよく減らす必要があるため、放電器というアイテムも販売されています。
また、リポバッテリーは過放電も問題になります。
過放電のままにしておくと壊れてしまうため、バッテリーを完全に使い切る前にやめましょう。電圧チェッカーという、残量電圧を確認できるアイテムもあります。
最近は昔より安価になったリポバッテリー
最初は電圧の管理がすこし難かしく思うかも知れませんが、なんでもそうですが慣れれば平気になるでしょう。
最近はスマホのおかげか、リポバッテリーも昔よりは随分安くなっているようです。
取り扱いについても、普通のドローンやスマホでも今はリポバッテリーなのでそれほど難しく考えることはないかもしれません。
ニッケル水素では残量・電圧が分からずに保管の状態でダメにしてしまうという話もありましたが、リポバッテリーは上記のようなアイテ ムで確認することができます。
初心者からステップアップしたい人に
リポバッテリーについてでした。
自分もラジコンを走らせていてリポバッテリーにしたくなってきた者です。
管理さえ気をつければいいことずくめなので、一度リポバッテリーにしてしまうと、もうニカドやニッケル水素には戻れないとも言われています。
ということで、問題なのはやはり電圧管理と保管方法についてですね。
発火などが起きたという報告もネットなどで見かけます。
初心者からステップアップしたい人は、特にこの事に気をつけましょう。